これは電子レンジの内部で超高速振動をする電波(マイクロ波)を発生させ、食材の内部に含まれている水分を内側から振動させて摩擦熱を起こし、その摩擦で食品が温まっているのです。 水分を振動させるという性質上、例えば内部に水分がない陶器やガラスなどは透過するため熱することができません。 また、金属は電波を反射させるため、金属本体は温まりません。 これにより食材のみを温めることができるという仕組みになるのです。 アルミホイルを使うと反射させてしまうため、加熱したくない部分に巻くとその部分の加熱を抑えることができます。 裏を返せば食器類が濡れていると、付着している水が温まり、温まった水の熱が食器に伝わり持つのも大変なほど温まってしまいます。 そのため濡れていない食器を使えば食器の過度な加熱も防ぐことができるという仕組みです。

中央の皿があるタイプとないタイプの違いは単純にその性能差になります。実は意外にも皿が回るタイプより回らないタイプの方が高性能である場合が多いです。皿を回すことで食材を均一に温めているのですが、回らないタイプは過熱部分が均等になるよう自動でマイクロ波の出力を調整するなど、より高性能な機能が付いているのです。

卵を電子レンジでチンすると爆発する、というのはよく知られていると思います。
これは電子レンジのマイクロ波の性質上、内側から振動させて加熱、つまり黄身の部分から熱していきます。
すると100℃以上に加熱され、密閉状態の黄身の内圧が高くなって、熱による圧力の膨張で体積が増えた黄身が白身と殻を突き破ってしまいます。
この際、外気に触れると黄身の圧力や沸点が元に戻り、100℃以上でも液体だった黄身の水分が瞬時に水蒸気に変化し、爆発します。
これが「水蒸気爆発」という、卵が爆発する理由になります。

オーブンは後述する種類によりますが、庫内で熱線から熱を放出して食材を焼いていくグリル機能や、庫内を熱で温めてできた熱風で食材をじっくり温め(焼い)ていくオーブン機能が基本性能になります。
水の摩擦で食品を温める電子レンジと違い、フライパンなどと同じく外側から熱を伝えて焼いていくというイメージです。
電子レンジは内部から温度が上がるため焼き目は付きませんが、オーブン(特にグリル機能)は外側から内部に熱を伝えていくため焼き目が付きます。
また、熱を直接伝えるモノであるため、庫内に入れた容器なども同じく温まります。
そのためココット皿のようにオーブンに対応した耐熱容器を使用する必要があります。また、お弁当の温めをするには容器が溶けてしまうため向いていません。
単純なオーブンのみの機能を持った製品での性能差に関しては、例えば熱を放出する熱線の本数が多い、熱線本体が上下に配置されている、優秀なタイマー機能や温度調整機能が付いている、といったところになります。

近年のオーブンで広く使用されているものは大きく分けて2つあります。1つはスチームオーブン。
100℃以上の高温の水蒸気(過熱水蒸気)による温めによって栄養を閉じ込めたまま余分な油や塩分を落とすことができたり、水分を保つため、肉はしっとり柔らかく、野菜はみずみずしく、お菓子やパンはしっとりと調理できます。 もう1つはコンベクションオーブン。熱風を循環させてムラなく熱を通すことで、パンやクッキーも焼き上げたり、 熱風を庫内に広げることにより余熱を短縮できます。(この型が一般的なオーブンのイメージでしょう) その目的、用途に合ったオーブンを購入することが大切なポイントになっております。

近年主流となっている「オーブンレンジ」は、電子レンジとオーブンの機能が1つに纏まっているものを指します。
マイクロ波の出力もでき、熱線からの熱の放出も可能としているので、レンジ機能を使えばお弁当の温めができ、オーブン機能を使えばパンを焼くこともできるというものです。
オーブンレンジの中には、熱線からの熱はもちろん、スチームオーブンのような機能も付いていたり、電子レンジ機能とオーブン機能を同時に使用することができるものなど、種類がどんどん増えていっています。このように価格が比較的安価な抜群の性能を持った製品も開発されており、オーブンレンジ自体は大人数の家族からひとり暮らしの方まで幅広く愛用されています。